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医療保険とは

料理をしていて、包丁で指先を怪我してしまったら、どうしますか? 多くの方は家庭でできる簡単な対処を行い、怪我の完治を待つでしょう。ちょっとした風邪を引いて寝込んだ時も同様です。

しかし、血がとめどなく溢れるような大怪我をしたらどうするでしょう。寝ていれば治るとは言っていられないほど体調が悪かったり、花粉症に苦しんでいたりすれば、ほとんどの方は病院に足を運び、診察と治療を受けるはずです。

日本は平均寿命が世界的に見ても長めの国です。胎児の死亡率が非常に低いことでも知られています。これは、国民全体が格差なく、誰もが簡単に高度な医療技術による治療を受けられるということを意味しています。

日本の健康と寿命を支える医療制度ですが、タダでやっていくわけにはいきません。当然のことながら、薬も、ガーゼも、シーツも、ベッドも、メスも最新式の治療システムにもお金はかかっているのです。

日本の病院は公営ではなく、ほとんどが医師免許を持った個人や協会によって運営されています。言うなれば、一般の企業と大きな違いがありません。ただ、完全に私的な企業では、ビジネス的な視点が必要になるため、より儲かる治療しかしなくなってしまいます。

医療機器というのは莫大なお金がかかるものですので、治療費の全てを国民の財布に負担させると、多くの人は必要な時に治療を受けられなくなってしまいます。

そんなことがないように、日本では政府による社会保険のひとつ、医療保険制度が行われているのです。

目次

  1. 医療保険の役割について
  2. 国民健康保険について
  3. 健康保険について
  4. その他の保険について
  5. 年齢によって軽減する後期高齢者医療制度
  6. 保険の切り替えに注意する

医療保険の役割について

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医療保険を非常に簡単に言うと、本来治療を受けた人が10割負担すべき治療費を、集めた保険料から数割分負担し、安く治療を受けられるようにすること、です。

年齢によって若干の違いはありますが、一般的に医療保険に加入している人が病院で治療を受けると、3割の負担だけで済みます。これはつまり、残りの7割は医療保険が肩代わりしてくれているということです。

医療保険は、国が管轄しているものです。そのため、医療保険に加入することで手に入る保険証は公的な身分証明書として利用できます。

また、人の体を治療するための技術といえど、発表されたばかりで安全性が確かでないものを利用するのはリスキーです。保険適用で受けられる治療というのは、政府が検査した上で安全性や有効性を認めたものだけが受けられるようになっています。

こうした制度が、国民の安全や健康に大きく寄与しているのです。日本では皆保険制度が導入されており、原則的に、何らかの医療保険に加入することが求められます。

保険料の減免を申請したり、もしくは不払いなどがあったとしても、保険に加入した際にはさかのぼって支払うことになるのです。少子高齢化に伴い、病院を利用する人が増えていく中で財源を確保する、誰もが優秀な治療を受けられるようにするのが医療保険の役割なのです。

国民健康保険について

医療保険の中には、いくつかの種類があります。最も大きな種別で言えば、国民健康保険健康保険に分かれます。

国民健康保険とは、シンプルに言えば会社員ではない人が加入する医療保険です。国ではなく、その人が住んでいる地域によって管轄されているのが特徴であり、いわば最も基礎的な医療保険とも言えるでしょう。

アルバイトやフリーター、無職、専業主婦などが対象となっています。特徴としては、保険料が全額自己負担であること、扶養という考えが存在しないため、同一生計内にある家庭でも、ひとりひとりが保険に加入し、支払いを行っているという考え方になることが上げられます。

短縮して国保と呼ばれることもあり、自営業の方、フリーター、会社員から独立をした人などにとって非常に馴染み深い医療保険です。

健康保険について

国民健康保険は、地域ごとに管理管轄されている医療保険でした。一方の健康保険は、国によって管轄されている医療保険のことを指します。

国保と対比して、社保と呼ばれることもあります。こちらは、簡単に言うと会社に雇われている会社員、被雇用者が加入する保険です。

厚生年金などとセットになって加入するものであり、最大の特徴として、保険料の半額を雇用者、つまり会社が負担して払うようになっています。

国民健康保険も健康保険も、目に見える形では支払う額は大して変わりませんが、健康保険の場合は会社が同じ額を払っているため、その分楽にはなります。

ただし、国民健康保険に関して言えば、地域ごとに管轄が異なるため全国で保険料の算定基準が異なります。

健康保険の場合、一定条件以内であれば家族を扶養に入れることができます。これは節税という面で非常に大きなアドバンテージとなります。

全国健康保険協会や健康保険組合などが管轄をしており、どちらの組織の健康保険に加入するのかは、雇用契約を結んでいる会社の規模などによって決まります。

その他の保険について

これ以外にも、保険はいくつもあります。日本には国民皆保険制度があるため、少なくともひとつは医療保険に加入していなければなりません。ただ、健康保険は会社員の場合加入が義務であり、それ以外の人が加入する国民健康保険はメリットが少ない場合もあります。

何らかの医療保険に加入していれば、よりメリットの大きな保険を利用することができ、国民健康保険には加入しなくても良いのです。

そのため、船舶に乗って働く人のためにある船員保険や、公務員などが加入する共済組合の保険、自衛官などが加入する保険、その他にも、単一の企業やグループ、職業の人同士が政府に認められた医療保険の団体を作り、独自の保険を運営している場合もあります。

もちろん、保険が違えば保険料も保障の内容も違うため、どの保険が良いのかは住んでいる地域、収入、年齢などを加味して計算しないと分かりません。

年齢によって軽減する後期高齢者医療制度

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日本は少子高齢社会です。子どもや若者が少なく、高齢者が多くなっていることはもはや疑いようのない事実です。

一般に、若い人は免疫力も高く、肉体も頑丈であり、病気や怪我をしにくいです。完治までの時間も短いです。一方で、老齢の方というのは免疫力や体力が低く、また長い間の生活で病気などになっている可能性も高い。

つまり、高齢者になればなるほど、病院のお世話になる回数は増えていきます。ただ、定年を迎えて労働できなくなり、収入の途絶えた高齢者に、これまで通りの負担を求めると、医療費だけで生活が干上がってしまいます。

こうした高齢者を保護するために作られたのが、後期高齢者医療制度です。75歳を越えた人、もしくは、65歳以上で障がいなどがあり、一定の条件を満たした人であれば、医療費の自己負担額を1割にまで抑えましょうというシステムです。

一種の所得の再分配であり、高齢者を数多く抱える日本の医療制度と長寿を支えているものでもあります。

保険の切り替えに注意する

医療保険は、最低ひとつの加入が義務付けられています。ただ、アルバイトや無職から会社員になる、会社員から独立するなどの場合、自身で適切な保険への切り替えを行う必要があります。

この時、きちんと保険の切り替え手続きを行っていないと、2種類分の健康保険料を払うことにもなりかねませんので、十分に注意しましょう。保険未加入の状態ではまともに治療を受けられないので、医療保険は生活に必須です。