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遺族年金とは

核家族化や景気の低迷、女性の社会進出に伴って、共働き家庭は一般的になっています。子どもがいるいないに関わらず、夫も妻も働いていれば二馬力分の収入が確保できるため、一人分の収入では不安でも、生活が大きく安定するからです。

ただ、人生というのは思いがけない不幸を呼び込んでしまうこともありえます。家族を支えている夫が、もしくは妻が、事故や病気などによってある日突然亡くなってしまうこともあるのです。

残された家族の悲しみは大変なものですが、それはそれとして考えなければならないのが生活のこと、つまり、金銭面での安定です。特に、成人前の子どもを抱えている状態では、何とか生活を存続させていかなければなりません。

残された家族のために金銭的な補助をする。そのためにあるのが、公的年金制度のひとつ、遺族年金なのです。

遺族年金は、きちんとそれまで保険料を支払っており、本来であれば本人が受け取れるはずであった年金を、一種の財産のような形で遺族に譲渡するものです。

しかし、遺族の生活を永遠に保障するものではなく、生活の安定や、受給できる者が自分の年金を受け取れるようになった場合、減免や支給停止という措置が取られます。あくまで、年金は一人につき一人分の支給であることが適切だと考えられているからです。

あるとないでは大きな違いのある遺族年金ですが、システムが非常に複雑であり、難しいため、いざ遺族年金に頼りたい時になってから調べ始めると、大変です。

そこで、時間や余裕のある時にこそ、遺族年金について正しく理解し、万が一の際にも活用できるように準備をしておいていただきたいのです。

目次

  1. 遺族基礎年金について
  2. 寡婦年金について
  3. 厚生年金に加入していた場合
  4. 条件が細かく難しい
  5. 適切な手続きを行う

遺族基礎年金について

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遺族年金は、残された家族に対して支給される年金です。金銭的な補助が行われるわけですが、遺族年金にも幾つかの種類があります。

最も基本的な遺族年金が、遺族基礎年金です。これを担当するのは、国民年金です。遺族居基礎年金の受給要件を満たしているかどうか、またいくら受給されるのかなどによって、最終的に受給できる金額は変わってきます。

要件を整理しておきましょう。必須であるのは、死亡してしまった人が国民年金、厚生年金、共済年金など、いずれかの年金保険に加入していることです。

そもそも年金保険に加入していない人が亡くなっても、遺族年金の利用はできません。条件は他にもあります。死亡した者の年金保険の支払い状態です。

大きく分けると、老齢基礎年金を受給できるかどうかで違いがあります。老齢基礎年金を受給できるだけの期間年金に加入し、保険料を支払っている、つまり、最低でも25年以上の支払い期間がある場合、保険料をどれくらい支払ってきたか、ということは関係なく、遺族年金の対象となります。

ただし、被保険者だった、60歳から65歳の間に亡くなった場合は条件が複雑です。基本的には、年金保険へ加入している期間の内、3分の2以上の期間保険料の支払いをしていることが条件となります。直近の期間に保険料の滞納などを行っていた場合、遺族年金は利用できない場合があります。

更に、遺族年金を貰うことができる人にも条件が定められています。遺族年金を受給できるのは、亡くなった人の配偶者、ないし18歳未満の子どもに限ります。

子どもが18歳を越えている、18歳未満であるものの、すでに結婚している場合は受給できません。また、子どもがない夫婦のどちらかが亡くなってしまった場合、直接の血縁である子どもがいないため、残された方は遺族基礎年金を受給できません。

遺族基礎年金は、最低限の保障を行うというわけです。

寡婦年金について

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老齢基礎年金の受給条件を満たしているものの、実際に年金を受け取り始める前に夫が亡くなってしまった場合、残された妻に支給されるのが寡婦年金です。

この年金は、妻が60歳から65歳になる月までに限定して支給されるものであり、また、夫婦のどちらにも受給に関する要件が設けられています。

夫側は、国民年金の第1号保険者であり、老齢年金の受給要件である25年以上の支払期間を有していること。障害年金を受給したり、受給するための手続きなどを行ったことがないことです。

妻側の条件は、無くなった夫の収入で生活を営んでいたこと、また、結婚してから10年以上夫婦関係を続けていることも必要になります。

それと同時に、妻の年齢が65歳未満であることも重要です。何故ならば、夫が国民年金で受給要件を満たしており、なおかつ10年以上の婚姻期間を維持しているということは、妻が65歳になれば自分の分の老齢基礎年金を受給できるようになるからです。

また、再婚をしたなど、収入基盤が安定すると支給は停止されます。

厚生年金に加入していた場合

亡くなってしまった夫が、もしくは妻が会社員だったというのは一般的なことです。会社員の場合、加入している保険は国民年金ではなく、厚生年金となります。

厚生年金は、勤めている会社側が保険料の半分を負担するようになっています。つまり、国民保険の倍額分保険料を納めていることになるので、支払額分だけの優遇があるのです。

ここで重要なのが、遺族基礎年金の場合子のいない妻や父母、孫などには遺族年金の支給が不可能であることに対し、遺族厚生年金であれば条件を満たせば支給される、ということです。

遺族厚生年金の受給要件を確認しましょう。亡くなった側に関しては、短期要件と長期要件があります。短期要件の場合、年金保険の加入期間の3分の2以上支払いを行っていること。長期要件の場合、老齢厚生年金の受給資格を満たしていることです。

亡くなった側の条件は、障害基礎年金と同じだと考えてもらって構いません。大きく異なるのは、遺族厚生年金を受け取る側なのです。

大前提として、亡くなった人の収入で養われていた人、というのが条件です。その上で、配偶者、子ども、父母、祖父母、孫までが対象となります。ただし、遺族基礎年金と同様、子どもや孫は18歳未満が条件となります。

条件が細かく難しい

この時点でかなり遺族年金の条件が細かく、難しいことは理解していただけたと思います。ですが、ここまで紹介してきた条件は、遺族年金に関する支給要件の全てではなく、一部なのです。

実際に遺族年金の支給を考えた場合、いくつかの条件が重なり、どの方法、どの遺族年金を組み合わせるのか、といったことで支給額は変わります。

そして、自身の条件や亡くなった人の支払い期間や要件に合わせて適切な選択をするのは、遺族年金の手続きを行う遺族本人なのです。

年金の計算も、子どもの有無や人数などによって変動します。ひとつ条件が違うと同じ金額にはならないため、どうしても自分である程度の知識を持った上で対処しなければならないのです。

適切な手続きを行う

遺族年金に限ったことではなく、公的な社会保険、社会保障というのは、待っているだけでは手に入りません

保険料をきちんと支払った上で、必要な時に必要な書類や条件を揃え、自分で手続きをする必要があります。

支給される遺族年金は、受給者の条件が変われば届け出をし、再計算しなくてはなりません。遺族年金について何も知らないままでは、適切な補助を受けるどころか、補助が受けられるかどうかも分からないまま生活をしていくことになるのです。

必要な時に適切な手続きをできるようになりましょう。