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雇用保険とは

雇用保険について、いきなり質問されて説明できる方はどれくらいいるでしょうか。おおよその推測にはなりますが、一般的な企業で働いているサラリーマンを何人か選んで聞いてみた場合、雇用保険について、というより社会保険についてほとんど知らない方の方が多いと思います。

国民の生活を保障するためにあるのが社会保障であり、社会保障の中核をなしているのが社会保険制度です。社会保険の中で、雇用保険は労働保険と呼ばれるもののひとつであり、会社で働いている人なら例外なく全員に関係のある保険です。

そもそも社会保険の制度が分かりにくいという問題もあるのですが、雇用保険について知っていれば、例えば失業した時などに大いに役立ちます。

生活を保障するためにある社会保険ですが、知識のない人にわざわざ手を差し伸べてくれるわけではないのです。雇用保険についての知識を持っていないことで、将来的に不利益を被ってしまわないように、また、気持よく雇用保険の保険料を支払えるように、説明をしていきます。

目次

  1. 雇用保険の要件について
  2. 最も有名な失業時の給付について
  3. 失業に関するものだけではない
  4. 人生に密着した社会保険
  5. 管轄している場所とサービス
  6. 雇用保険の注意点

雇用保険の要件について

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雇用保険は、社会保険のひとつです。どういうことかと言いますと、特定の条件を満たしている人であれば、例外なく加入が義務付けられている保険である、ということです。

社会保険では、基本的に全国民を加入対象とし、加入者から集めた保険料と、政府からの助成金などを財源として、さまざまな社会的サービスを提供しています。

医療保険があるからこそ3割負担で怪我や病気の治療が受けられるのです。雇用保険も同じような機能を持っています。

雇用保険は、いわゆる被用者、労働契約を結び、会社や事業所に雇われている人全員に関係のある保険です。

会社などが人をひとりでも雇う場合、雇用保険や労災保険に加入するのが義務となっています。社員を雇う場合は必ず、週の労働時間が20時間を下回る場合以外は、アルバイトであろうと雇用保険に加入させることが必須です。

逆に、個人事業主や無職の方など、会社組織に属していない人は雇用保険に加入することはありません

雇用保険の保険料は、給料からの天引きとなります。厚生年金や健康保険と同じように、雇用保険も会社とご自身で半分ずつ保険料を支払います。所得税のように大きな金額を引かれることはまずなく、ごく少額なので気にしたことがない方も多いでしょう。

ですが、雇用保険があることによって、就職や雇用が大きく安定するのです。

最も有名な失業時の給付について

雇用保険と言われて誰もが思い浮かべるのは、失業保険ではないでしょうか。会社を辞めることになり、失業した後何がしかの手続きを行うと、働いていた時の給料の何割かを支給してもらうことができる。

無職にも関わらず収入があるので生活が破綻することはなく、次の再就職までのつなぎにもなる。こういったイメージです。

確かに、雇用保険には失業後の再就職を支援するための援助という機能も備わっています。ですが、雇用保険の役割はそれだけではありません。

まずは、失業時の給付についてご紹介しましょう。失業後に雇用保険から支給されるものは、求職者給付と呼ばれます。

簡単に言うと、失業後に公共職業安定所、ハローワークで手続きをすれば、働いていた時の数割分の手当を貰うことができる、というものです。

ただし、雇用保険を利用するためには、少なくとも退職した会社に2年以上勤務しており、その内の1年は雇用保険の支払いを行っている必要があります。この要件を満たせていない場合、失業後に申請をしても手当を受け取ることはできません。

この手当というのは、失業後、再就職するまでのお金です。ハローワークに登録をし、就職を目指してがんばるので、その間だけ支援をしてください、というものです。

失業に関するものだけではない

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雇用保険には他にも色々な給付が存在しています。例えば、就職促進給付や教育訓練給付、雇用継続給付です。

実際には非常にさまざまな給付があり、上手く利用すれば、自身のスキルを伸ばしながら手当をもらい、安定した再就職に挑めるようになっています。

雇用保険の役割は、就職の安定や支援まで包括的に含んだものなのです。

職業訓練校という施設がありますが、こういった場所に通い、技能を習得すると一定の給付を貰うことができます。このお金は、雇用保険から出ています。

他にも、職業訓練を受けるために寄宿するための寄宿手当、怪我のために就職ができない場合に受け取れる傷病手当などもあります。

就職に成功した時に出る一時金や、就職に必要な採用面接に行くための交通費、自費で負担した教育訓練の費用の一部給付といったものなど、多岐に渡ります。

要するに、上手く就職し、働いていけるようにありとあらゆる給付や援助が用意されているというわけです。

人生に密着した社会保険

雇用保険は、失業後にどうやってリカバリーをしていくかだけではなく、現在の雇用をいかに安定させるかも考えています。

例えば、一昔前であれば女性社員は結婚し、子どもを産むことになれば退職するのが一般的でした。しかし賃金の全体的な低下や女性の社会進出、男性の育児休暇取得の一般化などに伴って、結婚、出産後に職場復帰し働き続けるというケースが増えています。

休職状態になってしまうため、基本的に育児休業中は収入が激減してしまいます。そこで、育児休業中の収入を補填する給付も用意されています。

育児休業に入った社員への負担も軽減されるため、企業としてもありがたい制度です。育児と同様に、介護休業に関しても同じような給付があるため、雇用保険に入っていれば、人生において大きな転換期であっても雇用を継続しやすくなるのです。

管轄している場所とサービス

雇用保険に関しては、基本的に公共職業安定所、つまりハローワークに管轄が一任されています。雇用保険について何か分からないことがある時、給付を受けるための手続きをする時などは、全てハローワークに行けば話を進めることができます。

各種の給付については、それぞれで受給できる条件が異なっており、また、いくら支給されるのか、いつまで支給されるのかも違います。

個々人の離職理由や条件によって最適な解決方法は変化しますし、申請すれば必ず給付を貰えるというものでもありません。雇用保険について知りたいことがある時はハローワークに行き、必要な部分の知識を蓄えるのが良いでしょう。

雇用保険の注意点

雇用保険の各種給付、手当を利用しようと考えている方に、必ず覚えておいていただきたい注意点があります。

雇用保険はあくまで自発的、積極的な能力開発や、能力のある人の雇用の安定、再就職の支援を行うものであって、就職する意思のない人が利用するものではない、ということです。

とくに、失業後の給付や手当を利用する場合、定期的にハローワークに通い、職員と面談を行い、採用面接や試験を受け、就職する努力をしなければなりません。

仮に、不正受給などをすればそれなりのペナルティが待っています。雇用保険による手当や給付は、その時一生懸命働いている人が払っている保険料によって賄われているからです。

また、自己都合、会社都合の退職ではなく、懲戒解雇処分など悪質な解雇事由がある場合、保険の利用には制限がかかります。

失職という、本当に困った時に利用できる雇用保険について、この機会に学びましょう。