社会保険.JP
法人支援士業連合会
  <    <  社会保険制度とは

社会保険制度とは

7a

日本という国で生活していくために必要なものは、なんでしょうか。雨風をしのぎ、体を休めるための住居、毎日の栄養を確保するための食事、わいせつ物陳列罪で捕まらないためにも必要な衣服。俗に衣食住と呼ばれているこれらももちろん必要です。

ただ、必要最低限の衣食住を揃えるために、大前提として必要なものがあります。それが、お金です。

日本は経済大国であり、資本主義経済を採用している国です。無数にある商品やサービスの市場の中で各種の企業や個人が競争をしています。

お金が無ければ必要最低限の文化的な生活をすることができない。つまり、仕事、ないしそれに準ずるお金を手に入れるための方法を持っていること、というのはとても大切な訳です。

ですが、長い人生の中で自分ではどうしようもないことになってしまう時もあります。怪我をしてしまった、病気になってしまった、障がいが残ってしまったといった健康面でのトラブルから、ある日突然仕事を辞めなくてはならなくなってしまった、なんて場合もあります。

にっちもさっちもいかない、困っている。このままで非常に大変なことになってしまう。そんな時に頼れるシステムとして存在するのが、日本では社会保険制度なのです。

社会保険制度があるからこそ気軽に病院に足を運び治療を受けることができ、失業してもしばらくの間は生活を維持することができ、介護の負担も楽になり、老後の生活も安心できます。

目次

  1. そもそも保険制度とは
  2. 私でできないことを公でする
  3. 社会保険制度の役割について
  4. 生活保護と違う点について
  5. 社会保険の分類を知る

そもそも保険制度とは

7b
そもそもの話、保険というのは一体何のためにある制度なのでしょうか。答えは、将来的に何かあった際、相互に助け合うための制度です。

自己責任という名前の元に、全てのことを自分の責任で行うのはとても楽です。成功すれば全てが自分の報酬になり、失敗すれば自分が傷つくだけで済みます。

ですが、長い年月を生きていく上で、できればリスクを抑えたいと考える人はたくさんいます。

そこで、保険という制度が採用されているのです。大勢の加入者を募り、定められているお金を集め、集めたお金をその時困っている人に分配する。

自分一人の財産では、困った時に事態を解決できるかどうかわかりません。しかし、その他大勢の加入者からの援助があれば話は別です。困っている人の補償を複数人で少しずつまかなえば、ひとりひとりの支出は限りなく抑えることができます。

逆に、自分が困った時に受ける補償は、複数人の負担によって行われるため、より大きなものになります。こうした相互扶助制度、日本では社会保険制度は、政府が主導しているのです。

私でできないことを公でする

保険には、私的なものと公的なものが存在します。日本の社会保険制度は公的な制度、もっと言うと社会保障制度の一環です。

基本的に、加入者からお金を集め、その時困っている人、つまり所定の条件を満たした人に補償を与える、という保険の仕組みは私的なものも公的なものも何一つ変わりません。

ですが、私的な保険というのは、あくまで営利を目的とした企業が行うものなのです。儲けというのは、今困っている人、高い確率で困るであろう人から取るよりも、余るほどお金を持っている人から取る方が簡単ですし、利幅も大きくなります。

どういうことかと言えば、企業が提供する保険では社会的弱者の救済という責任を果たしにくいのです。低い採算性や、利益が出るどころか赤字が出てしまう可能性を踏まえると、公的機関にしかできないことが多い。

そのため、社会保険制度は国が主体となって運営されています。政府のサービスなので、原則的に日本の国民は全員が社会保険に加入することになっています。

国民全員の加入が基本となっているからこそ、セーフティネットになり得るわけです

社会保険制度の役割について

7c
社会保険制度の役割を一言で言うとセーフティネットになります。日本は国として国民から税金を受け取り、政治や管理を行っています。要するに、国として国民の生活を保証する必要があるのです。

ただ、資本主義経済の中では経済的な格差が必ず発生します。その中で経済的、もしくは身体的に何らかのトラブルに直面した国民を切り捨てるというわけにはいきません。

そのため、加入者から保険料を集め、国の税金、政府の予算を使って社会保障を行っているのです。万が一が起こった時に迅速にカバーすることで、社会的な弱者の救済や、生活、経済活動の安定が図られています。

国による社会保険制度があることによって、困った時に頼れるシステムが存続できるのです。

生活保護と違う点について

社会保険制度と、生活保護は似たような役割を持っています。何かあった時、何らかの事情がある時、条件を満たしていればある程度生活の補償をしてもらうことができる、という点です。

しかし、社会保険と生活保護には大きな違いが2つあります。補償を行うタイミングと、補償の内容です。

生活保護というのは、何らかの事情があり、人間として最低限文化的な生活が遅れるようにと国から支給されるお金です。基本的に、生活保護を受けることができる人というのは、困っているどころではなく生活ほどに頼らなければ生活のしようがない状態なのです。

いうなれば、社会保障の中で最も最後に用意されているセーフティネットです。一方、社会保険はちょっと性質が異なります。社会保険での補償を受けるためには、まずは所定の保険料などを払っておかねばなりません。補償を受けるための条件も違います。

それに何より、社会保険というのは生活がどうしようもならなくなる前に補償されるものなのです。生活保護よりもっと前の段階に用意されているセーフティネットです。

また、社会保険の保険料は、原則としてその人の収入、所得に応じて決まります。たくさん稼いでいる人はたくさん払う、少ない人は少なく払う、これが基本です。

そのため、困った時の補償に関しても、保険料をたくさん払っている人はなるべく手厚く、少ない人はそれ相応に、という形になるのです。

一番分かりやすいのが、雇用保険です。職を失ってしまった場合、いきなりその日から何も食べられなくなるわけではありません。

この時、雇用保険に加入して保険料を払っており、適切な手続きを踏むことによって失業保険の給付を受けることができます。

もらえる額は、働いていた時の何割、という考え方です。また、こうした失業保険の給付を受けられないなどの理由があり、生活ができなくなった人が申請をすれば、生活保護を受けられるようになります。

このように、似たような制度であっても、内容は全く異なります。

社会保険の分類を知る

社会保険には、細かく言うと5種類の保険があります。さらに細かく言えばもっとたくさんの保険があるわけですが、複雑なシステムである分、その分類を知っておかなければなりません。

基本的に社会保険は加入が必須なので意識することはないのですが、自分で補償の申請を行ったり、変更の手続きを行うこともあるからです。

分類そのものは簡単で、雇用者かどうかでほとんど決まります。雇用契約を結び、給与の支払いを受けているサラリーマンなのか、そうでないのかによって個別の社会保険のどれに加入するのが正しいのか変わるのです。

無職や専業主婦、個人事業主の場合はサラリーマンと同じようにはできないので、自身でどの保険が適切なのかを調べ、理解しておく必要があります。