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社会保険を管轄する役所

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日本の社会保障制度の中で、最も大きな柱は社会保険制度です。大きく分けて5種類の保険から成り立っている社会保険は、それぞれの保険ごとに役割が異なっており、国民の生活を維持するために必須なシステムとなっています。

ただ、社会保険と一口に言っても、実はそれを管轄する役所は同じではないのです。また、制度上の管轄と、実務上の管轄との違い、といったものもあり、中々理解しづらい問題となっています。

非常に大雑把に言えば、社会保険を含んだ社会保障は全て日本国政府が行っているわけですが、ここまで大きな範囲で理解しても実際に保険を利用したい時には役に立ちません。

そこで、今回は、社会保険を管轄する役所は一体どこなのか、困ったことがあった時は、実際にどこに行けば手続きを進めることができるのか、といったことについてご説明をしていきます。

社会保険への理解を深めていく上で、一番間違えやすく、またわかりづらい部分の話になってしまうので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

  1. 社会保険の難しいところ
  2. どこが管轄しているのか?
  3. 実際の手続きを行う場合の注意点
  4. 保険の理解が必要な手続きにつながる

社会保険の難しいところ

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適当な知り合いを掴まえて、「社会保険って何?」と聞いて、きちんとした答えが返ってくる確率はどれほどあるでしょうか。

残念なことに、日本という国がやっていく上で非常に重要な役割を持っている社会保険ですが、その重要度の高さの割には余り馴染みのない保険でもあります。

どうして社会保険は理解されていないのか。その答えが、分かりにくいから、というものです。社会保険は大枠で5種類ですが、細かく見れば健康保険でも種類の違うものがあり、それぞれの保険を運営する母体が違うので当然条件も異なります。

さらに、制度そのものが少々分かりにくいのです。最も大きな区切りである5つの保険は、同じ社会保険にも関わらず、ほとんどが違う組織によって管理されています。

全く話すことのない、同じ会社の違う部署のようなもので、それぞれの保険に関して完全な縦割りになっているのです。そのため、社会保険を理解しようと考えると、最低でも5種類の保険について個別に調べ、手続きをしなければなりません。

条件の違い、保障の違い、管轄している役所の違い。こういった違いがあるからこそ、社会保険というのは理解するのが非常に難しいのです。また、役所に足を運んだことがある方ならば一度は体験するであろう、役所独特の仕事のテンポや、部署のたらいまわしなども容易に起こりえます。

社会保険について分からない。どこに聞きに行けば良いのか、手続きはどこですべきなのかが分からない。こういう問題があるからこそ、ここで一度社会保険を管轄する役所について知っておいていただきたいというわけです。

どこが管轄しているのか?

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冒頭でも触れた通り、最も大きな括りで言えば、社会保険を管轄しているのは国です。制度的な管轄で言うと、厚生労働省が社会保険の全てを取り仕切っています

ただ、その他にも膨大な量の仕事を持っている省庁が、全国民に適用される保険や年金についての業務を行うと、他の仕事が進まなくなります。

また、必要な知識が多くなり過ぎてしまうため、実際の管理は更に別の役所が担っているのです。

社会保険は医療保険年金保険介護保険雇用保険、労災保険の5つです。医療保険の内、サラリーマンが加入する健康保険に関しては、年金事務所が管轄です。元々は社会保険事務所という部署があったものの、社会保険庁が無くなったため引き継がれています。

国民健康保険に関しては、住んでいる場所にある役所、もしくは、全国国民健康保険組合の管轄です。これは、職業などによって変わります。

介護保険に関しては、全国の市区町村にある役所となります。そして、年金保険に関しては、国民年金か厚生年金かで違いがあります。

国民年金の場合は役所であり、厚生年金保険の場合は日本年金機構が管轄です。

残る雇用保険と労災保険ですが、こちらも管轄がそれぞれ違います。大きく見ると、全国、そして都道府県ごとにある労働力が管轄です。

ですが、雇用保険に関してはハローワークが、労災保険に関しては労働基準監督署が管轄をしています。

これらの管轄については、省庁の変遷によっては統合される、名称の変更があるといった場合もありますが、基本的には同じ役所が継続的に管轄します。

制度的な面から言えば、ここまでに紹介したところがそれぞれの保険を管理しており、例えば役所と年金事務所、労働基準監督署などは建物がある場所からして違います。

用事のある保険を管轄しているのはどの役所なのか、この基本の部分が分かっていないと、健康保険から国民健康保険への切り替えをするために労働基準監督署に足を運び、うちでは担当していないと門前払いを受ける羽目になってしまうのです。

実際の手続きを行う場合の注意点

ひとつ前のところでご紹介したのが、制度的な面での各保険の管轄役所です。ただ、場合によっては実際の手続きを行う場所が違う場合があります。

基本的には上でご紹介したところに出向き、相談をすれば問題ないのですが、これらの社会保険に関する手続きを行う時というのは、何らかの形で困っているか、生活に変化があった時です。

もしもの時に混乱しなくても良いように、無駄な時間を過ごさないように、それぞれの保険で手続きが必要な時はどこに行けば良いか、復習しましょう。

社会保険に加入する場合、手続きそのものは所属する会社が行います。そのため、扶養などを記した書類を勤め先に提出するだけで構いません。健康保険と厚生年金はどちらも年金事務所が実務的に管理しているため、会社や事務所を管理している方は、そちらに書類を提出することになります。

例えば会社を辞めた、独立するといった場合、会社勤めではなくなるため、国民健康保険へ加入しなければなりません。

この場合、足を運ぶのは住んでいるところにある役所の、国民健康保険課などです。その他、共済などまた別の保険の手続きが必要な場合、各保険組合の事務所に行くことになります。

年金に関して、厚生年金保険ではない国民年金の場合、役所です。国民年金課などに行けば手続きが可能です。

雇用保険に加入する場合、会社、事業所の管理者が手続きを行います。失業保険を貰う場合などは、公共職業安定所、いわゆるハローワークに行って手続きをします。

労災保険の場合は少し特殊です。治療を受けた病院が、労災保険の指定病院である場合はその病院へ、そうでない場合は、所属している事業所がある場所に近い労働基準監督署へ行く必要があります。

どちらの場合も、労災である証明や失業理由など、会社からの書類などが必要になるので注意しましょう。

保険の理解が必要な手続きにつながる

ここまで読み進めて、社会保険の複雑さにめまいがしている方もいるでしょう。しかし、残念ながらいかに複雑であっても、必要な時は自分で手続きをしなければ給付を受けられないのが社会保険なのです。

社会保険について正しい理解を深めることで、現在の状況に合っている保険の種類や、万が一何かあった時はまずどこに行けば良いのかが明確になります。

健康保険から国民健康保険への切り替え手続きなど指定の期間内に手続きをしなければならないものも多くあるため、社会保険を管轄する役所について知っておいた方が得なのです。

大まかに理解をしておくだけでもきっと役立つでしょう。