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社会保険制度の種類を知る

仕事中に怪我をしてしまった時、病気になってしまった時、突然会社が倒産してしまい路頭に迷った時、人はどんなものを頼れば良いのでしょうか。

その答えのひとつが、社会保険制度です。怪我や病気、老い、介護など、自分の努力ではいかんともしがたい事態に対面し、困っている人を最低限サポートするためにある、セーフティネットのようなものだと考えていただければ良いでしょう。

保険という制度は、非常に古くから存在しています。前もってお金を出しておき、万が一なにかあった時には定められた金額を受け取ることができる。ただ、通常の企業が行う保険では、ビジネスである以上限定された範囲の補償しかすることができません。

そこで生まれたのが、国が主導する保険制度、社会保険制度なのです。国が行うものであるため、基本的に国民は例外なく加入の義務が定められています。

会社で働き給料を貰っている人、専業主婦、個人事業主なども例外はありません。

指定された条件で最も一般的なのは、収入です。年間の収入が130万円を越えている場合、自動的に社会保険への加入が行われるようになっています。

目次

  1. 雇用保険の要件について
  2. 最も有名な失業時の給付について
  3. 失業に関するものだけではない
  4. 人生に密着した社会保険
  5. 管轄している場所とサービス
  6. 雇用保険の注意点

社会保険を構成する5つの保険

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日本が制度として運用している社会保険制度には、5つの柱があります。ありとあらゆる補償についてひとつに纏めてしまうと、逆に範囲が広くなりすぎて管理できなくなってしまうため、分かりやすいように分かれていると考えてもらって構いません。

それぞれの保険は基本的に独立しており、各条件を満たせば加入が義務付けられています。

社会保険には、この5つ全ての保険を含んだ広い意味での社会保険という呼び名と、5つの内3つを指した狭い意味での社会保険という呼び名があり、混同しやすいので注意が必要です。

狭義の意味で言うと、5つの内の医療保険年金保険介護保険の3つを社会保険。残りの雇用保険労災保険のことを労働保険と呼びます。

それでは、5つの保険の種類をひとつずつ説明していきます。

医療保険について

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一般的に、最も利用する回数が多く、そして最も広く知られているのが医療保険です。

日本では、原則的に保険に加入している場合、病院や診療所での治療を7割引き、つまり3割負担で受けることができるようになっています。

怪我や病気を含むあらゆる治療に対応した保険であり、日本国民が健康を保って生活していくために欠かせない保険です。

非常に大きなくくりにはなりますが、医療保険の中でも会社員など、雇用契約を取り交わして雇われている雇用者をターゲットとしている健康保険、それ以外の人を対象としている国民健康保険の2つに分けられます。

健康保険の方は国が管理しているもので、特徴としては支払いを行っている雇用者の扶養が認められていること、会社と加入者が保険料を半分ずつ支払うという形になっていることがあげられます。

一方の国民健康保険の方は、無職の人や自営業の人を広く対象とした保険です。国ではなく地域ごとに管理をされており、扶養という考えとは無縁です。そのため、ひとりひとりが自分の保険料を払います。また、健康保険と違って保険料は全額自費で負担する必要があります。

年金保険について

保険と同じく広く認知されているのが、年金です。条件は色々とありますが、一定の条件を満たして加入し、支払いを行っていれば、定年退職後や怪我や病気で障がいを得てしまった場合に補償を受けることが可能です。

大きく、会社員が加入できる厚生年金と、それ以外の人が加入する国民年金、そして共済などが独自に行っている共済年金といったものに分けられます。

国民皆年金というルールがあり、例え無職であっても何らかの年金に加入しているということになります。

年金に関しては、補償を受け取ることができるまでの条件があることも多く、例えば年金の支払額が一定の期間を越えていない場合、支払いが始まりません。

会社などに勤めており、給料を貰っている人は会社側が健康保険と同じく半額の支払いをするようになっています。それ以外の自営業などの人であれば、全額を自身の収入の中から支払っていくことになります。

どちらも手元から支払う金額は変わりませんが、厚生年金の方は会社が同じ額だけ支払っているため、単純に国民年金の倍の補償が約束されていることになります。

介護保険について

いわゆる狭義での社会保険3つ、その最後のひとつが介護保険です。日本は比較的長寿の国として知られています。

技術や医療の発展に伴い、平均寿命が伸び、逆に出生率が下がった結果、社会的な少子高齢化が一気に進んでいる、というのも周知の事実です。

人間は年齢を重ねると自由に体を動かせなくなったり、ちょっとしたことで怪我をしてしまったり、重篤な病気などにかかりやすくなってしまいます。つまりは日常的な生活を自分の力でできない人が増えてしまうため、誰かの力を借りて、介護してもらわねばなりません。

しかし、介護は非常に大変なものであり、当然時間もお金もかかります。こうした介護を受けることができるよう、40歳以上になると自動的に加入と保険料の支払いが始まるのが介護保険です。

一定の条件を満たせば一時金や保険の給付を受けることができるようになっています。

雇用保険について

ここからの2つは、労働保険と呼ばれるものです。名前の通り、労働をしている者、つまりは雇用者の保護や補償を目的としている保険のことを指しています。

雇用保険とは、万が一雇用者が職を失ってしまった場合、再就職までの生活ができるように補償を行う保険です。

通常、会社などで働いている人は、会社が倒産すると自動的に仕事や会社員として地位を失います。収入が一気にゼロになってしまうため、再度就職を成功させるまではお金を支出するだけになってしまいます。

全ての雇用者が潤沢に貯金をしていれば問題はないのですが、現実的にはそのようなことは難しく、再就職するためのお金がないので無職のまま、というケースも考えられるのです。

こうした事態を防ぐために、働いていた時の給与の内、いくらかを一定期間失業保険という形で受け取ることができるようになっています。これによって、心理的にも安心し、生活面でも安定した状態で雇用を目指すことができるというわけです。

労災保険について

労災保険は、ある意味で最も関わりのない保険となります。正式な名称は労働者災害補償保険であり、ぞくに労災と呼ばれるのはこの略称です。

労災が一般に認知度が低い理由は2つあります。自分で保険料を支払う必要がないことと、活躍する機会がそう多くないことです。

労災というのは、雇用者として仕事をしている最中、もしくは仕事をするための通勤時に、何らかの形で怪我をしてしまった、死亡してしまった、病気になってしまった、障がいを得てしまった場合に補償を行う保険です。

保険の性質上、人を雇っている会社、事業所は例外なくこの労災保険に加入しておくことが義務付けられており、さらに、労災の保険料は雇用者ではなく、会社が全額支払います。

また、そもそも業務時間中に怪我などをすることは一度もない、という人も多くいるため、労災保険を頼る必要がある状況にならないということも、余り認知されていない理由です。

これら5つの保険が社会保険制度なのです。性質が違うため、個別に理解することが重要です。